デザインの余白

グラフィックデザイナーのひとりごと。デザインのこと、京都のこと、そして気になること。

デザイナーになるには、大学と専門学校のどちらが有利なのか的な話

f:id:gridGraphic:20220106173841j:plain

REI KAWAKUBO COMME des GARCONS


明けましておめでとうございます。

このHatena Blogで「デザインの余白」を書き始めて約9年になります。そして前回の更新が2020年5月だから、2年ほど空いてて実質ブログ歴は7年と言うことになります。こんな不定期なブログでも読んでくださる方がいらっしゃるのがとても有り難いです。

ということで、ご無沙汰しております。ぐりぐらです。

 


さて、昨年末にあるクライアントと打合せの席で、こんな質問を受けました。

「娘がデザイナーになりたいと言ってるんだけど、美大系の大学か専門学校かどちらに進学するのが良いと思われますか?」


う〜ん。どうなんだろうか。

僕は普通科の高校を卒業した後、一日でも早くプロとして稼げるようになりたいと考えたので専門学校を選びました。そして、その選択は間違いではなかったと、今も思っています。しかし、専門学校に入るための費用を稼ぐために、高校卒業後1年だけバイトをしまくった期間を入れると、結局専門学校の卒業までに3年掛かってるので、大学に行ってたとしても時間的にはそれほど変わりがなかったかも知れません。

で、さっきの質問の答えですが、僕はこう答えました。

「可能であれば、大学へ進学することをお勧めします。専門学校でも大学でも良いのですが、よほどの強い意志と具体的な目標がないとデザイナーなどのプロとして食っていくのは難しいかも知れません。ですが、その4年間なり2年間で学ぶことや、そこでつくられる人間関係は一生ものだと思いますし、後から買えないものなので、いずれにしても進学しておく方が長い人生でプラスになんじゃないでしょうか。」

僕のようにとりあえず専門学校に入って、その間にデザイン事務所を回ってタダ働きしながら学校に通うようなことも無駄ではなかったと思うけれど、デザインや美術や歴史などを学問としても真剣に向き合う時間が必要だし、友人や師と仰ぐべき人たちに出会うことも大切だと思います。

大学で美術を勉強しなかったとしても、プロとしてデザインを続ける内には、いつかそれらを知る(学ぶ)必要が出てきます。そして、人とのつながりや人脈というよりも、人との接し方や距離感、コミュニケーションの取り方など、社会で仕事をする上で必要なことを学ぶことも大事だと思います。
これらの学びは、順番の違いがあっても、いつかどこかで必ずやらなければならないし、必ずその時が誰にでも来ると思うのです。その来た時にちゃんと向き合うことができるのか、またそれに気づくことができるのかという問題はあるんだけど。

大人になって仕事を持つと、何かと忙しかったり、いろんな事を理由に言い訳をしては避けてしまうことが多いので、そんなことも自分自身で反省しつつ、というかできることなら死ぬまでに大学という場所で学んでみたいということを考えたりしています。これまでの人生を振り返っても、僕は人よりも色んなことのタイミングがズレてる気がするんだけど、特に不具合もなかった気がします(笑

ということで、久しぶりの更新になりましたが、今年もよろしくお願い致します。



トップの写真は『REI KAWAKUBO COMME des GARCONS』の表紙。白い紙に、ほっそいエッジの型押しだけってのがシビレます。ま、この上にうっすい紙にスミコツで同じフォントが印刷されてるんだけど。どの世界でも極めると、男とか女とかそんなのは関係ないんだと思ったりします。