節分も過ぎて暦の上では春ですが、まだまだ京都は寒いです。
ということで、シリーズ化するつもりはないんですが「コピーライターの目のつけどころ」さんの記事を読んでなるほどなぁと思ったり、僕が独立した頃を少し思い出したので書き留めておきます。記事はこちら↓
僕が独立した時、いの一番に考えたのが「協会に入るかどうか」でしたが、未だに各種協会には所属していません。推薦人(二名以上の正会員からの推薦がないと協会員になる資格がないなどの制度を設けている場合があります)になってくれる先輩が居なかった訳ではありません。組織から飛び出してフリーとなり、自分の力を試そうとしている人間が、また大きな組織に入るのも変な気がしたという、今思えば若気の至り的な事もあったけれど、単に業界の(賞を取ることの意味を含めた)問題点や協会そのものに疑問を持っていたことがその理由です。
フリーランスの場合、健康保険や各種手続き福利厚生的なことなどで協会に入った方が負担が少なくて済む場合もありますし、フリーランスじゃない場合は会社によって協会の賞を取ることが義務化されているところもあったり、また会社で年会費などを経費として負担してくれるところもあるようです。また著名なデザイナーや高名なディレクターなどの先生方とお近づきになる機会もある(であろう)し、年鑑などに載るチャンスも増えます。そして「協会正会員」の肩書があると企業のウケや見栄えも良く、美術・デザイン系大学や専門学校での講師などの道も開かれやすいという点もあります。ざっくり言うと、人との繋がりや世界が広がり、仕事が増える可能性が入ってないよりは高くなるかな...って感じです。
で、独立した当時の若い僕は、「そんなもん要らんわい!デザインの腕だけで勝負したる!」と息巻いて、どこにも入らなかった(実際入れなかったかも知れないw)んですが、今の僕がアドバイスするとしたら「とりあえず協会に入って、もし気に入らないことがあるなら辞めちゃうか、自分の力で内側から変えれば良いんじゃない?」というようなことを言うかもしれません。組織を変えるほどの力があるなら、元々入らなくても良いし、ひょっとしたら三顧の礼をもって迎えられるかも知れません(笑
ま、何事もその人の努力次第ではありますよね。
でも、「コピーライターの目のつけどころ」さんが指摘されているような事は、僕も昔から感じているので「東京オリンピック エンブレム問題」のようなことはまた繰り返されるような気がします。
これからフリーランスになろうとするデザイナー、またなったばかりのデザイナーは、まずデザイン費用について悩むことが多いと思います。僕も最初は迷い、悩みました。会社に務めている時の金額で勝負できるのか?(僕が務めていた会社は関西でもトップクラスにデザイン費が高いと言われていました)とか、やっぱり少し低めに設定した方が仕事を依頼しやすいんじゃないだろうか?とか、色々考えてしまいます。独立したてで少し暇な時期があったりすると、余計に不安に駆られます。で、自信をなくして自分でも安いかなと思う金額で見積もりをして、予想を上回る細かなオーダーがあったり、何度も何度も修正され、無限ループかと思うような事態に嵌り込んでも、追加で費用を請求できずに失敗したと思ったり。。そんなこと、経験ありますよね?
ご存知かも知れませんが、JAGDA(公益社団法人 日本グラフィックデザイナー協会)が親切にも「デザイン料金表」というのを用意してくれています。。が、計算式がやや難解で理解するのに僕は時間が掛かりましたし、この料金表に合わせると関西では確実に高いということになるはずです。多分。知らんけどw
なので、僕の場合は料金に対する考え方を参考にさせて頂きました。
いずれにしても、デザインを依頼してくださる方が「頼んで良かった!」と思うような仕事をすれば、何も恐れることはないと思います。とは言え、フリーランスとして、またひとりのデザイナーとして自信をもって、胸を張って仕事をしていくのには様々な経験も必要ですし、成功もまた失敗することも大切だと思います。フリーで食っていくということは、それらの経験をどう生かすかと、瞬時の決断の連続ということに尽きる気がします。
ちなみにJAGDAへの入会は、個人の場合...
・入会金 30,000円
・年会費 36,000円(月/3,000円と考えると安い気がします)
・入会条件
1)グラフィックデザインの実務に2年以上従事している個人
2)グラフィックデザインの教育に2年以上携わっている個人
3)その他上記に規定する資格と同等の資格を有する個人
・推薦者(JAGDA正会員に限る)1名の署名・捺印が必要
とのことです。また以下のような特典も多数あります。
・年鑑『Graphic Design in Japan』への作品応募
・JAGDA新人賞への応募
・JAGDA主催のグラフィックデザイン展への作品応募
・各種保険制度、福利厚生サービスの利用
などなど...
詳しくは、「入会について」をご覧ください。
他にも協会はたくさんありますので、代表的なところをリンクしておきます。入会するも良し、参考にするも良しです。各地方にもデザイナーズクラブや美術協会、図案家組合など様々な組織がありますので、調べてみてください。
・JAGDA(公益社団法人 日本グラフィックデザイナー協会)
・ADC(東京アートディレクターズクラブ)
・TDC(特定非営利活動法人 東京タイプディレクターズクラブ)
・JTA(特定非営利活動法人日本タイポグラフィ協会)
・TCC(東京コピーライターズクラブ)
トップの写真に写ってる年鑑をリンクしておきます。12,000〜21,500円となかなかにお高いですが、独立してからずっと主要な年鑑は毎年買っています。協会に入らないのにチェックするという矛盾(笑
ちなみに「フリーランスで食っていくということについて」の(1)もリンク貼っておきます。
ADC年鑑2015 Tokyo Art Directors Club Annual 2015
- 作者: 東京アートディレクターズクラブ
- 出版社/メーカー: 美術出版社
- 発売日: 2015/11/26
- メディア: 大型本
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GRAPHIC DESIGN IN JAPAN 2015 (Jagda)
- 作者: 公益社団法人日本グラフィックデザイナー協会/JAGDA
- 出版社/メーカー: 六耀社
- 発売日: 2015/06/20
- メディア: 大型本
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