デザインの余白

グラフィックデザイナーのひとりごと。デザインのこと、京都のこと、そして気になること。

デザイナーのクセに

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毎年この時期になると悩むことがあります。
本棚に入りきらない書籍、雑誌、資料と呼ばれる数多くのカタログやパンフレット類。
これらを処分するのか、取っておくのか。。


確実に要らないというものは良いんだけど、「後で何かの時に使えそう...」と思ってしまうのがそれなりにあって悩んでしまう。結局使わないことが多いんだけど、それでもその取捨選択を始めてしまうと結構な時間が掛かってしまう。色んな事を思いながら眺めてるうちに、ついその雑誌を読みふけってたり。。




で、なぜそんなに大量に紙モノがあるのか?



写真集やデザイン関連の書籍、雑誌は仕事上、個人的にも必要と思われるものを購入するとともに毎月洋書の専門店さんが事務所に持って来てくれます。僕が好きそうなものだったり、新刊だったり。これが便利で、しかも見ると全部欲しくなってしまうのでいつも悩みます。(ココでも悩む...)



ま、書籍類は良いとして、問題は大量のカタログやパンフレット、小冊子の類。
デザイナーの習性というか癖というか、町を歩いてても打合せに行っても、はたまたオフのときに遊びに行っても、目に止まった冊子は必ず手にとって見てしまいます。そして、なんかちょっとピンと来ると貰ってしまうのです。もはや収集癖。


最近ではかなり減りましたが、それでも常に「何か」を探してる感じです。これは駆け出しの頃に「資料集め」という仕事をしていたからかも知れません。「資料集め」とは、主にラフやカンプを作る際の写真や企画書に盛り込む素材を集めて、使いやすいように整理する仕事です。先輩や上司のディレクターが言う「イメージ」を「具体的なビジュアル」に変換して、尚かつそれを素材として用意しなければならない、とても微妙で困難な仕事です。


先輩や上司の好み、ニュアンス、その仕事の性質などを何となく頭にインプットしつつ、より上質の写真などの素材を探すのです。この写真の質感でラフの完成度も随分違ってきます。

現在のようにMacもネットもなかった時代なので、会社の資料室で隈無く探し、それでも無ければ図書館や書店までイメージに近いものを探して歩きました。当然、1案件の「資料探し」だけをさせて貰える訳もなく、数件のミッションを同時にこなすということをやっていました。


なので日頃から、いつどんなイメージを言われても対応出来るように、何でもかんでもとりあえず自分の中にストック(インプット)する癖がついているのかも知れません。



今思えばとても良い修行をさせて頂いたと思います。そして、この仕事のお蔭でデザインをする際のイメージの見極めや、ラフやカンプづくりには自信があったりします。その代わりに色んなモノに興味を持ち、収集するという変な癖も常態化。情報や様々なモノを整理するのが仕事のデザイナーのくせに、年末になると色んなモノの処分に困るということになってます...

 



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