デザインの余白

グラフィックデザイナーのひとりごと。デザインのこと、京都のこと、そして気になること。

京都でデザイナーがトークイベントをやる訳

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僕(たち)はソーシャルだけの告知で、京都で小ぢんまりとトークイベントを隔月開催しています。その名も“Desalon Kyoto(デザロン・キョウト)”。早いもので、すでに14回(3年近く)になります。

グラフィック・デザイナーの僕と、IT会社を経営するプロデューサー、そしてプロダクト・デザイナーの3人で主催するトークイベントです。「デザイン」「ギロン」「サロン」をテーマに毎回ゲストをお迎えして、様々なお話を聞きながら4人でトークするというものです。

基本的なコンセプトは、主催者の3人が話を聞いてみたい人、会ってみたい人をゲストに迎える。また、たくさんの人にそのゲストのことを知ってもらい、近い距離でコミュニケーションすることです。そして、ゲストはものづくりに関わる人を中心にお招きしています。

デザイナー、作家、アーティスト、職人、ミュージシャンなど様々です。


最初に3人でこのイベントを企画した時、京都を中心に活躍するクリエーターと京都で学ぶ、将来デザイナーなどのものづくりを志す学生や若いデザイナー達を結べないだろうかと考えました。そうするともっと楽しい事が、ここ京都から起こるんじゃないだろうかと。

僕たちは普段何気なく沢山のクリエーターと仕事をしていますが、学生や若手はなかなか出会えなかったりしますし、一線で活躍されている方々に話を聞くのは勇気が要ります。そういう普通ではなかなか近い距離で会えない方と親しくお話をし、またイベントに来られた皆さんが意見交換や交流する場所をつくろうとした試みです。


元々京都にはモノづくりの職人さん、会社が多く、今や世界的な企業となっているけれど、最初は小さなベンチャーだったり、伝統を守りつつもアグレッシブに新しいものを取り入れていく気風がある土地だと思います。そして、そんな京都から業界の一線で活躍する人を通して何かが見えてくるような気もしています。


先に書きましたが、このイベントはもう14回、3年目に入りました。ゲストも11名(3回は主催者だけでぶっちゃけトークを開催)に。今年も9月まではすでにゲストが決まっています。



まぁ、乾杯でスタートしてお酒を飲みながらトークをする(徐々に酔っていくので、かなりぶっちゃけトークも飛び出します)という、とてもフランクなイベントで、毎回僕自身が一番楽しんでいるんじゃないかと思います。ゲストも参加者も皆とってもいい表情で、毎回恒例の記念写真にはそれが現れています。



ということで、次は4月を予定しています。

最近は毎回直ぐに席がなくなる人気のイベントっぽくなってきてて、嬉しい限りです。告知は、FcaebookとTwitterで流しますので、もし興味のある方は注目しておいてくださいね。

 


Desalon Kyoto Facebookページ
https://www.facebook.com/Desalon.Kyoto

Desalon Kyoto Twitterアカウント
https://twitter.com/DesalonKyoto


パーソナリティ:
八十住 孝(マザー株式会社 代表)
福田 恵子(デザイナー・IMOS Design 代表)
大衡 秋逸郎(アートディレクター・gridGraphic 代表) 


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 ↑ 会場の様子。みなさん真剣にトークを聞いてくださっています。
 トップの写真は、vol.014 染色家  玉村咏 氏とのトークの様子です。

 


過去のゲストは、こちらです。
凄いでしょ!w


001〈2012.08〉 ゲストなし
002〈2012.10〉 デザイナー 村田 良平 氏(りてん堂
003〈2013.01〉 錫師 山中 源兵衛 氏(清課堂
004〈2013.03〉 デザイナー 辻村 久信 氏(ムーンバランス
005〈2013.06〉 ゲストなし
006〈2013.07〉 男衆 堀切 修嗣 氏(花風
007〈2013.09〉 和紙ディレクター 堀木 エリ子 氏(堀木エリ子&アソシエイツ
008〈2013.11〉 スペースデザイナー 杉木 源三 氏(スペース
009〈2014.01〉 ゲストなし
010〈2014.03〉 バッグデザイナー カズヨ・ナカノ
011〈2014.05〉 プロデューサー 若林 剛之 氏(SOU・SOU
012〈2014.07〉 シンガーソングライター 池田 聡
013〈2014.09〉 書家 川尾 朋子
014〈2015.01〉 染色家 玉村 咏 氏(ギャラリー攸


 

 

彫刻刀とカッターナイフ 二十歳のリアル

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今日は、1月12日「成人の日」。
新成人が今年は126万人で21年ぶりに増加したのだとか。今日20歳を迎える多くの若者に幸多いことを願います。おめでとうございます。


さて、調べると2000年からハッピーマンデー制度の導入で「成人の日」が1月の第2月曜日になったそうですが、僕が成人式を迎えた時は、1月15日。今から27年も前の話で、四半世紀以上も前になります。。




持つことが叶わなかった彫刻刀


当時20歳の僕は「レイ・デザイン研究所」に通う学生でした。
18歳で高校を卒業して大学進学も考えたんだけど、父親の居ない家庭で目標もなく何となく進学することが「人生の執行猶予」みたいで疑問を感じたこともあり、元々仏像彫刻に引かれるものがあったので、その時は仏師(仏像彫師)になろうと決めていました。

で、高校3年生の時に父の墓があるお寺のご住職にご紹介いただき、京都で高名な仏師の先生のところへ弟子入りをお願いしたのです。なんの予備知識もなく、ただ仏像を彫ってみたいという浅い考えだけで。無謀にも程があり、若いとは言え大変失礼なことだったと思います。

結果的には、「君は向いてないから、やめなさい」と先生に言われて引き下がりましたが、今思えばそのくらいのことで諦めるようではとてもモノにならないと考えての試験だったのかも知れません。が、呑気な僕はそんなことに気づかず、その後一冊数万円もするような仏像の図録などを母親に買ってもらい(この時点で甘ちゃんだけど)、ほんの少し真剣に仏像のことを勉強したつもりになって、今度は京都国立博物館内にある「美術院(国宝修理所)」を受験することになります。

全国の美大、芸大を卒業した本気の人たちに混ざって、普通科の高卒がその難関に挑んみました。確か当時は何年も合格者が出ていなかったと思いますが...

当然の如く、不合格。

筆記試験(仏像彫刻・国宝・需要文化財に関する基礎知識)と実技(デッサン:僕の時は千手観音坐像)、そして面接でした。僕も絵は得意で、自分では相当に上手いと思っていましたが、美大・芸大卒の美術院を受けようとする方々のデッサンは次元が違いました。僕なんかは千手観音の全体像を時間内に描き切ることすらできず、気持ちはベコベコに凹みました。


とあらゆる部分で完敗、傷心のまま町を歩いているとき、ひとつの案内を見かけたのです。それによって、僕は全く違う世界へ踏み出す事になりました。。





カッターナイフの世界へ


「フランス留学制度もあります」

案内に書かれたこのキャッチフレーズに惹かれて、デザイン専門学校の門を叩いてしまいました。結局、僕が見たのはかなり古い学校案内だったようで、海外留学はできなかったのですが...(笑


こうして、僕はデザインの世界へと踏み込むことになりました。この時は四半世紀以上もデザインを続けるなんて夢にも思ってなかったんだけども。。

一日も早く働いて、自立できるようになりたい一心だった僕は、授業料を捻出するために毎日アルバイトをしていたのですが、それでも暇があったら動物園で絵を描いていました。主にクロッキー。短時間で特徴を捉えて描いてしまうというのを繰り返し、繰り返し。テナガザルがお気に入りでした。

その甲斐があったのか、今でもサムネイルを描くのが大好きで得意なことの一つになっています。


と、そんなこんなでデザイナーの一歩を踏み出すのですが、この専門学校に通う時に僕はすでに30歳までに独立して事務所を持つことを決め、デザイナーになるだけでなく、一廉の者になり自分の事務所を持つことをイメージしていました。





武者修行と道場破り


デザイナーで独立すると決めていた僕は、専門学校在学中に有名であろうと思われる事務所の中から「一番厳しい」と噂の会社に行こうと考え、インターンシップ制度を使って潜り込みました。そして、インターン期間後も夏休みや冬休みになると「バイト代は要りませんのでデザインを教えてください」と言っては、その会社に通い続けました。他にも大きなデザイン事務所など、見学と称しては訪ね歩いていました。

大勢のデザイナーである大先輩の仕事を見ては感心したり、納得したり、色々質問したり、生意気なことを言ったりしながら毎日がワクワクしていたのを覚えています。自分の中では武者修行を武士で、他流試合を挑む道場破り的な感覚もありました。


当時はMacもなく、まさに「手で仕事をする」時代。先輩たちも丁寧に手とり足取り教えてくれるようなことはなく、「見て盗め」的な空気がありました。デザイナー=クリエーターというよりも、職人的な色が強い時代でした。

カッターナイフと三角定規、ロットリングとケント紙。ラバーセメント、紙焼き、写植。。今では殆ど見掛けなくなったモノたち。(僕の事務所では、写植と紙焼き以外は現役ですがw)


と、まだまだ話は尽きないのですが、二十歳のころの僕はこんなんだったなぁというお話でした。また機会があれば、駆け出しデザイナーの厳しい毎日なんかも描いてみたいと思います。




※トップの写真は現在デザインをする時の必需品。マウス。こいつで微妙な線を描くことになるなんて、20歳の僕は夢にも思いませんでした。


 

 
 ↓ 最近の彫刻刀はカラフルですね〜

マルイチ彫刻刀・SX 全鋼製5本組

マルイチ彫刻刀・SX 全鋼製5本組

 

 

NT デザインナイフ D?400P

NT デザインナイフ D?400P

 

 

本屋さんの話

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元日の雪にはちょっと驚きました。
京都市内で20cm以上積もるのは60年ぶりとのこと。
僕も雪かきを初体験しましたw


さて、今日の京都は雨。
去年から持ち越した案件を、シコシコと今やかなりスピードの落ちたiMacでイライラしながらデザインしていたとき。。


「こんちゃぁ〜!」っと、馴染みの声。


雑誌の定期購読や気になる書籍、漫画など、欲しいものを発売日に届けてくれる本屋のおじさん。慌てて財布を取って玄関に行くと、カッパを着たおじさんはずぶ濡れ。

今日発売の雑誌を受け取り、お金を払う。
そして、新年の挨拶を交わしました。


で、写真の状態で雑誌は手渡されました。

濡れないように、雑誌が痛まないように、おじさんがビニルに包んでくれている。
その光景が手渡された瞬間に見えるような気がしました。
本や雑誌を愛しているんだろうなぁ。
そして、お客さんのことも大切にしてるんだろうなぁと。


雨が降ろうが、雪が降ろうが、真夏のカンカン照りだろが、おじさんはきっちり本や雑誌を届けてくれます。

新聞の場合は、新聞受け(ポスト)に入っているだけで、配達員の方とコミュニケーションすることはまずないけれど、本屋のおじさんは売り掛けじゃなくて現金払いなだけに、毎回顔を合わすし、会話もする。


今やネットのお陰で人と会わなくってもデザインの依頼を受けて納品までできる時代。メールやメッセンジャーやソーシャルでのコミュニケーションは、早いし便利。

でも、やっぱり人と人は直接会って感じることができるものがあるといつも思う。デザインなんかは距離感と温度みたいなことが本当に大切だと思います。


今日、本屋のおじさんから手渡されたこの雑誌を見ながら、熱や想いというのは自分が直接作ったものじゃなくても伝えることができるんだなぁと、なんとなく思うのです。何事においても愛することって大事なんだなぁと。


しかし、この雑誌の特集が「パン」だったりするので、今ものすごくお腹が減ってるのは内緒ですw

 

 

 

DANGAN de PARIS アートなパリ 5日間弾丸の旅


2014年もあと3日。

来年にまたがる仕事や来年早々に提案しなければならない案件などはあるものの、一応今年の業務に区切りをつけました。

今年もたくさんの方々にお世話になりました。
ありがとうございます

来年もよろしくお願いいたします。




弾丸パリ旅行

ということで、今年密かに仕事の隙をついて行ってきたパリについて少し。。


海外はイタリアとドイツがほとんどで、実は今回が「初めてのパリ」。
トランジットでシャルル・ド・ゴール空港に降り立つことはあっても、パリ市内を歩くのは初めてでした。

聞いていたスリに遭うこともなく、特に不便もトラブルもなく快適な旅で、夜は歩かない方が良いと聞いていたエリアでも、夜中に関わらず日本とそれほど変わらずウロウロできました。昔からどの国に行っても道を聞かれたり、話しかけられるので、みな現地人と思っているのかも知れません。(完璧な東洋人の容姿なのですがw)

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今回は初めてで時間も限られていたので、以下の2点に絞りました。


A)ルーブル美術館オルセー美術館だけはゆっくり見たい
B)有名な観光スポットをこの目で見たい


で、Aについては...
1 ルーブル美術館(7時間滞在)
2 オルセー美術館(4時間滞在)
3 オランジェリー美術館(3時間滞在)
4 ピカソ美術館(リニューアルのため見学できず)
5 ロダン美術館(2時間滞在)


Bについては...
1 シャイオ宮〜エッフェル塔(夜のイルミが良かった)
2 凱旋門シャンゼリゼ通り(カフェが異常に高いw)
3 ノートルダム寺院(屋上へ上がるのに3時間待ちで断念)
4 ポンヌフの橋(川沿いの古本市がなかなか)
5 モンマルトルの丘(パフォーマーが面白い)
6 ムーランルージュ(一度は見た方が良いかな)
7 アメリのカフェ(ミーハーですいません)

など寄り道しながら、駆け足で回りました。かなり歩き大凡の位置関係は把握したので、次はもっと細かなところを見て回りたいなぁと思いながら、仕事で行けるよう画策していますw

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京都と同じにおい、そしてごっつい。

街の大きさや雰囲気から、やっぱり「なんとなく京都に似ている」と感じたし、僕の数少ない海外経験の中でも、パリに住んでみたいと思いました。そして、やっぱり建築物の大きさと造形には圧倒されました。


ヨーロッパの魅力的なところの一つですね。
ただどれも宗教的であるため、お腹いっぱいになる感じは否めませんが、美しくて豪華、そして陰影を上手く使っているなぁと思います。見る人が思わずひれ伏すというか、偉大な力(神や権力者)を感じる造りになっていますね。

また京都の町家の中に突然ある地中海風パステルカラーの家みたいな、違和感のある町並みではなく、すべてが統一された景色はやはり良いなぁと思うのです。


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これに助けられました

少し長くなったので、観光地や美術館、作品についての感想なんかは省略しますが、今回非常に役立ったのが“PARIS MUSEUM PASS”。パリ市内と郊外約60か所の美術館、史跡などがフリーになるパスで、ネットから日本で購入することができます。これ便利です。

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ルーブルなどの有名なスポットは、どこでも入場券を買うのに大行列なんですが、これを持っているとチケット購入には並ばずに、入場口にダイレクトに並ぶことができます(笑

結局並ぶんですが、チケット購入の方が時間かかるので精神的にはかなり楽になります。特にルーブル美術館で大活躍だったのですが、ルーブルには入り口が3つ(展示塔が3つ=3エリアある)あり、それぞれゲートがあります。どこから入っても中は繋がっているので、すべて見て回ることができます。しかし、中が繋がっているとは言え、とんでもなく広く、幾層にもなっているため現在位置も分からなくなって迷うのです。(僕はエジプトエリアで、ミイラのように1時間彷徨いましたw)

そこで、1エリアを見る毎にセンターホールに戻り、また別の入口から入る方式だと比較的迷わずスムースに見て回る事ができます。ただ、再入場の度に料金を支払わねばなりませんので、このフリーパスはとても役立ちます。

エッフェル塔や凱旋門に登るときにも使えるのでかなり便利ですが、2Day Pass(3日間もあったかな?)なので、回る数によっては金額的には微妙かも知れません。ま、行列に並ぶという精神的苦痛を解消するコストと思えば、僕は大満足の金額です。


ということで、来年は仕事でパリに行きます。


 

フランス人は10着しか服を持たない~パリで学んだ“暮らしの質

フランス人は10着しか服を持たない~パリで学んだ“暮らしの質"を高める秘訣~

 

 

美味いカツカレーと良いデザイン

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事務所から歩いて5分のところにある「ますや」さんのカツカレー。
チキンカツとトンカツともに500円。8%になってからは、消費税が要るようになったんだけど、それでも安いと思います。

僕はもう20年以上通ってて、未だにきちんと手作りされてます。そして、ものすごく丁寧に「おおきに、ありがとうございます」と大将と女将さんがお客さんに言っておられて、こちらが恐縮してしまいます。小さいけれど、とっても美味しくて気持ちのよいお店です。



で、この「ますや」さんで、いつも考えることがあります。
サービスやモノとその対価、満足度なんかについて。


 

「お客様は、神様」のようなことを本気で思っている人が居ます。
これはお店の経営者も客もがそう思ってる場合があるようなんだけど、「何があっても客が偉い」というのはちょっと違う。



他の飲食店や別の業種でも同じなんだけど、僕の基本的な考え方は...

「モノやサービスを提供する人(企業)とそれに見合った対価で購入する人(企業)」はお互いに「対等」であるということ。もっと言うと「依頼者」と「制作者」は対等であること。



お店に来る客(依頼者:クライアント)と料理やモノを提供するお店(制作者:デザイナー)は、どちらが上でも下でもない関係だということです。実際には、発注側と受注側で圧倒的な力関係があったりするんですが。。



例えば魚の場合は、魚を捕る漁師さんから卸売市場、仲買人を通じて、最終的には魚屋さんやスーパーで鮮魚やお造りとして買ったり、または料亭やレストランなどで調理された状態で提供される。僕たちはランチの一品にする一尾の魚のために船を買って海に出ることができないし、そんなことをしては割に合わない。危険も伴う。(趣味で釣りをする人は別だけど)

自分にはできないことに対して、それに見合うものと交換するんだけど、人類には「お金」という便利なものがあるので、モノやサービスに対してそれを支払うことになっている。

なので「魚」の価格には、モノとして(大きさや質)の価値とそれを捕るために費やした原材料、燃料、人件費なんかも含まれる。そして何よりも漁師さんの経験や勘、天候等という目に見えないものも多少なりとも含まれると思うのです。



ますやのカレーが500円ということを「安い」と思うか「高い」と思うか、「価格と商品、サービスが釣り合ってる」と感じるかは人それぞれだけど、出されたカレーだけでなくて、その向こうにある見えない何かのことを思うと大切にしないといけないものが見えてきたり、「いただきます」と素直に感謝したりできるんだと思います。

 

デザイン的な話は全くなかったですが、僕は見えない向こう側や見えないモノの価値を大切にデザインしたいといつも思っています。

 

 

蓚酸アルマイト カレー皿 117-A

蓚酸アルマイト カレー皿 117-A