デザインの余白

グラフィックデザイナーのひとりごと。デザインのこと、京都のこと、そして気になること。

台風と祇園祭

 

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7月16日は、宵山です。そして、明日は前祭山鉾巡行ですが、どうも台風が直撃するようです。明日の朝5時30分までに中止かどうかが決まるようです。僕の記憶では、山鉾巡行が中止になったことはありませんが、調べてみたらありました。

直近では、四条通の地下で鉄道延伸工事があった1962年。まだ僕が生まれる前です。そして、悪天候が理由で中止になったのは1884年とのことです。その前になると「太平洋戦争(1941年〜)」、もっと前になるとなんと「本能寺の変(1582年)」とのことです。京都の人は「先の大戦」というと「応仁の乱(1467年)」を思い浮かべるという笑い話があるほど古い町なんですが、明日は山鉾巡航が延期になったとしても、台風で鉾が倒れたり、ケガをする人が出ないように祈ります。


さて台風といえば、昨日国会で法案が成立した「安全保障関連法案」。国会は大荒れでした。政治家だけでなく、憲法学者軍事アナリストなどからも様々な意見があり、国民の間でも賛成・反対真っ二つに分かれました。テレビや新聞の報道では、反対派の声が多かったように見えましたが、僕は賛成です。元々分かりにくい憲法を、解釈という捉え方で如何様にも変えられる状態よりも、誰が読んでもはっきりと理解できるものにする必要があると思うからです。


そして、与党や野党の言い分、国会内外でのやりとり、質疑応答の内容、審議時間など、どれも十分という感じはしなかったのですが、それはこの法案が「この国の先行きや僕達の未来まで変わる可能性があるかも知れない」というとても重要な決断を迫られるものだから、余計にそう感じたのではないかと思います。いくら審議しても、おそらく全員が納得できるものではなかったと思うし、消費税を上げることや高速道路を作ることなどといった法案よりも、何倍も慎重を期するものだとも思います。

で、一般的な国民は賛成派・反対派ともにですが、ちゃんとこの法案を自分自身で読んだ上で、自分の意思表示をしているのか?ということがとても気になりました。


こんな話があります。

沈没しようとしている船から脱出する際にボートが足りない時...

アメリカ人には「今飛び込めば、あなたはヒーローになれますよ」と言い、
イタリア人には「海に美女がいますよ」と言い、
フランス人には「決して海には飛び込まないでください」と言い、
イギリス人には「紳士はこういう時に海に飛び込むものです」と言い、
ドイツ人には「規則ですので海に飛び込んでください」と言うと。。

そして、日本人には「みなさん飛び込まれましたよ」と言えば良いとw


新聞やテレビなんかが信用できない、かと言ってネットに流れる情報も定かではないとなれば、やはり自分で色んなことを見て聞いて、調べて判断するしかないと思います。先ほどのジョークのように、「みなさん反対(賛成)されてますよ」的な空気感で動いてしまうことが一番危険なように思います。

そして、この法案が衆議院を通過したのは、政府与党の数の暴力でも強硬採決でもないと僕は考えます。その過半数を与党に与えたのは、他ならぬ僕達なのですから。自分たちで選んでおいて、その代表である議員が議会を通して決めたことは、すなわち僕達の意見でもあるということです。

だから選挙には必ず行って、ちゃんと考えて投票しないといけないと思うのでした。色々とモヤモヤすることはありますが、それがルールだし、それこそが民主主義なんだろうと思います。ちなみに選挙権を得てから、棄権したことは一度もありません。


ということで、今夜はこの台風の中、宵山に行くのはやめておきます(笑

 

 

安全保障とは何か (シリーズ 日本の安全保障 第1巻)

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祇園祭のひみつ―コラムとクイズで解き明かす (月刊京都うんちくシリーズ)

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