デザインの余白

グラフィックデザイナーのひとりごと。デザインのこと、京都のこと、そして気になること。

就職はゴールじゃないよね

つい最近「就活」についての相談のような事があったんだけど、「さぁ、君たちは今から就職活動しても良いんだよ!」とか「そろそろ就活しなさい」とか言われてからやるものなのだろうか?僕自身は就職活動ということをしたことがないから、実はそあたりのことが分からなかったりします。

就活スタート!みたいなのがあるのかどうか知らないけれど、その時点から就職のためのあれやこれやをしてるようでは遅いと言うか、自分以外のその他大勢の人達に埋没するし、それこそ一番競争が激しい時にそんなことしなくても良いように思います。

というか、就職ってのは「自分の成りたい未来の一番の近道」という選択のひとつだと思うし、就職がゴールな訳ではないと思います。そして、最初の目標(どんなことをしたいかみたいなこと)なんかは、どんどん変わると思うし、変わっても良いんじゃないかと思っています。

 

僕は「就活」らしきことをやったことがないと書きましたが、思い返せばほんの少しだけそれっぽいことをやっています。就職活動と言えるかどうかは甚だ疑問ですが。。

高校を卒業して殆どの人が大学に行く中、僕は絵を描くの好きということだけでプロのデザイナーを目指すことになる訳ですが、本当はデザイナーじゃなくて仏像彫師になりたかったのです。。その辺りのことは前に書いたのでそちらを読んでいただければと思います。

gridgraphic.hatenablog.com

 

 


で、何の話をしたかったのかボケてきたんだけどw


例えば、デザイナーというのはフリーランスとして独りでもできるし、小さなデザイン事務所でもできるし、大きな企業でもできる。ただ、独りよりも数人、数十人、数百人デザイナーがいる環境・組織の方が、当然大きな仕事をするチャンスが多いことになります。そしてこの大きな仕事というのが、独りでできる小さな仕事よりも良いものなのか、デザイナーとして楽しいものなのか、やりがいのあるものなのかは分かりません。

それはデザイナーの志によって変わると思うからです。

小さな商店のたった一人で経営されているお菓子屋さん。そのチラシをデザインすることがデザイナーとして本当に充実していると思うこともあれば、世界の誰もが名前を知る大企業の、世界中で流されるコマーシャルの企画やデザインをすることにドキドキ・ワクワクすることもあります。そして、これらはどちらが正しいとか悪いとかはありません。できればその両方を経験して、様々な物事をあらゆる角度から見て、デザインをすることができればデザイナーにとって良いことなのは確かだと思います。

 

大きな仕事と小さな仕事という分け方があるとしたら、僕はそのどちらも精一杯やりたいと思っています。仕事としてやるべきことや手法などは変わるでしょうし、当然必要とする時間も違ってきます。またデザイン料として受け取る金額にもかなり差がありますが、デザインを行うモチベーションは同じであろうと思います。ただやっぱり、規模の大きな仕事はいろんな人たち(カメラマンやスタイリスト、モデル、また研究者などの専門家)と一緒に取り組むことができ、新しい発見がたくさんあります。


仕事の大小、金額の多寡があったとしても、デザイナーとしてやることは同じだし、僕のデザインで一人でも笑顔になってくれるとやはり嬉しいのです。いつも思うのですが、デザイナーは職業なんだけど、デザインをすることってのはどうしようもなく生き方なのだと。

 

強引にまとめますがw

どこに就職するかではなく、就職した後に何を成すかが大切であると。
就職がゴールではなくて、そこからがスタートです。

 

 

そして最期にひとつだけ。

もし、このブログを読んでくれているデザイン_美術系の学生さんがいたら、これだけは覚えておいてください。

小さな事務所から大きな企業に移るのは相当努力しないとしんどいけれど、大きな企業から小さな会社に移るのも、独立するのも楽だってこと。当たり前だけど。
でも大きな企業で何もできなかったら、やっぱり意味は無いんだけどね。

結局は、常に自分で道を切り開けってことになります。