デザインの余白

グラフィックデザイナーのひとりごと。デザインのこと、京都のこと、そして気になること。

プレゼン力

f:id:gridGraphic:20130715193954j:plain

 

「プレゼン力」という言葉をよく見掛けます。


ビジネスの世界、とりわけデザインをする上でもプレゼンテーションする機会は多く、ほぼ日常的な事になっています。


一般的にはデザイン提案などをクライアントに対して行う場合が多いでしょうし、デザイナーは「プレゼン」と聞けば、そういうことをイメージすると思います。

大きな会議室やプレゼンテーションルームでクライアントである企業の担当者や責任者、役員などを前にして行う、緊張感溢れる場をイメージしますよね。。

 

 

 

 世界中の人に説明できる訳じゃない

 
僕はそういう場でのプレゼンが実は得意ではありません。
というか、あまり好きではありません。

ま、好きっていう人は少ないのかも知れないけれどw
あまり好きじゃない理由は、自分のデザインを説明したくないから。

僕がデザインをする(した)ものはどういう意図で、どういうことを狙っているかなんかを簡潔に述べることにしています。

 

 僕はグラフィックデザイナーなので、だた一人のためだけの一点モノはデザインしない。(というか、したことがない。。そういう依頼があればするのかも知れないけれど。。)
僕がデザインをするその殆どが「不特定多数」の人が目にするためのものです。

 

 で、僕がこのデザインのこういうところが素晴らしい、画期的なんだ!と幾ら言ったところで、最終的にそれを目にする「不特定多数」の人たちに対して、そういう事を言って回れる訳もなく、そのデザイン(成果物)にそのことを書く訳にもいかず、できあがったモノは僕の手を離れて一人歩きするので、デザイナーの真意は結局のところ伝わらないのです。

 

という気持ちがあるので、僕はベーシックなことだけを伝えるようにしています。
上記のような理由もプレゼン時に敢えて言うことはありますが。。

所謂、複数社から提案を募る「競合プレゼン」の場合などは、勝たなければならないので、それなりの「やり方」はあるんだけれども。。

 

 

  

デザインで勝負すれば良いんだよ

 

何よりも、説明なしに存在感を放つデザインをすることが重要で、逆に言うと心理的なテクニックやレトリックを駆使したプレゼンをしなければならないような、そんなデザインでは多くの人の心には響かないということだと思っています。。

 

 

 フランスのデザイナーフィリップ・スタルクはプレゼンテーションの時、重そうなジュラルミンのケースから、何気なく精巧な模型を取り出し、テーブルの上にポンと置いて

「僕のデザインはコレです」

と言ったと聞いたことがあります。
企画書もなにもない、その潔さに会場は唖然としたそうです。



スタルクは並居るデザイナーを破って、そのプレゼンをものにしたそうです。 

 

 

 

僕の場合は、対企業や行政に向けた大きなプレゼンよりも、日々の小さな提案やアドバイスを、キチンと丁寧にすることの方が大事だと思っています。
広告やデザインのことなどを全く知らないお店のオーナーや中小企業の責任者に向けて、本当になすべきことを誠意を持ってお伝えすることをこれからも心がけていきたいなぁと思います。。

 

 

 

 

でもなんで、今こんな話を書こうかと思ったんだろ?
ま、いっか(笑

 


f:id:gridGraphic:20150105140230j:plain
にほんブログ村

 

スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン

スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン