デザインの余白

京都のデザイナーでディレクターの徒然メモ。デザインのこと、京都のこと、そして気になること。

鬼の一言

最近、京都のアパレルブランドと和菓子屋さんのコラボレーション企画について、少しお手伝いをした。もう記者発表されてるから、詳しく商品について話しても良いんだろうけれど、あと一週間ほどであるところにお店がオープンするのでまだ詳細は伏せておく。

 

今日、その和菓子屋さんの社長とお話をしていて、「凄いものづくりをする人は平気で鬼のようなことを言う」ということで意見が一致した。

例えば、数週間掛かってデザイナーの指示通りに職人さんが仕上げたモノがあるとしよう。そのモノが開店一週間前に、デザイナー自らがその出来をチェックしたとき、指示したデザインと少し違う部分があったとする。さて、あなたならどうしますか?もはや作り直す時間はないか、あっても徹夜を何日かしなければ間に合わないタイミングであることは、全員が分かっていることです。

 

デザイナーは一言「作り直そうか」と。現場がシーンと静まり返るなか、もう一度そのデザイナーは言います。

 

「今から作り直そうか」

 

この一言がなかなか言えないんだなぁ。。

その場の空気、残りのスケジュール、これまでの職人さん及びスタッフの努力、予算…

これらが一気に頭の中を駆け巡り、デザイナーとして「これぐらいならOKしようか」と思ってしまいがち。デザイナーの鬼のような一言で、関わる全員が今まで以上の力を再び出さなければならなくなります。制作過程、技術的なことを知るほどに言えなくなります。

 

デザインの現場では良くあることですよね。で、スタッフ全員に死刑宣告をするにも等しい、その一言を言えるかどうかで最終的な仕上がり、パーフェクトなモノと成るかが変わる。誰もが経験し、時には妥協したことがあると思います。

 

凄い人は、鬼になるのです。

 

人に厳しいだけでなく、ものづくりに厳しく妥協しないからこそ、素晴らしいデザインを完成させるのです。そして、凄いものづくりをする人は、他人だけではなく自分にも厳しいので、その作り直す為に必要な努力もスタッフ以上にしているんですが。

 

僕にも経験があるけれど、周りの空気を読んで妥協した時は、必ず後悔となり言い訳となるし、結果的な評価も決して良くはないということ。しかし妥協せず「鬼のような一言」で、一時は厳しい状況になっても結果的に高く評価され、残るモノを作ることができて関わる全員が良かったと思えます。

 

ま、無茶振りしても死ぬようなことはないし、なんとか成っちゃうもんです。何とか成らない時もあるんだけど。。

 

 

やらずに後悔するよりは、やって後悔した方が良い。

強い想いは必ず道をつくる。

 

と、思います。

ただし、成し遂げるための最大限の準備と努力は必須だけど。

 

さて、明日は鬼にならなくて澄むように、まずは段取りと調整、打合せ。下準備は丁寧に漏れなく、繊細に。デザインと企画は大胆に、臨機応変に。