デザインの余白

デザイナーの気ままなブログ。デザインのこと、京都のこと、そして気になること。 God is in the Details

本を見るなっ!

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なんでもググっとけ。


インターネットが普及して、あらゆるものが「すぐそこ」にあるような感覚になることが多くなって久しいと思います。そして、スマフォを誰もが持つようになって、さらに便利になった。。。  ような気がします。実際に便利になったんだけど。

今やなんでも直ぐに「ググる」ことで、ほとんどのことが解決します。いや、解決した気持ちになります。いやいや、解決するのかな?w

例えば「今度のビジュアルは、イビザ島みたいな透明感のある海と空がいいね」とクライアントに言われたとします。「ふむふむ」とか「良いですね〜!」などと言いながら、殆どの人がその「イビザ島」へ行ったこともなかったりします。僕はありませんw

昔、TVで見たなぁとか、写真集で見たなぁとか、そんな感じ。


で、今のイケてる人は直ちに「ググる」訳です。

そして、出てきた写真や地図、周辺情報などを打ち合わせしているその場で入手し、皆に知らせて(共有して)くれるのです。なんと便利で素晴らしいことか!




仕事が増えるデザイナーと絶滅する職人さん

僕がデザイナーになりたての頃は、まだ携帯電話すら一般的じゃなく、インターネットなんかも普及してませんでした。会社に導入されていたマシンと言えば、モノクロのコピー機と「文豪」や「書院」といったワードプロセッサー。主にコピーライターが使うためのものでした。

やがてカラーコピー機が導入され、ラフ制作など飛躍的にできることが増えました。またその後Macが入って、さらにデザインでできることが増えました。自由な発想を表現するためのツールが増えたのです。革命的でした。

しかし喜んだのも束の間、デザイナーは気づくのです。できることが増えるということは、やらなければならないことも増えるということに。。



結果的には、写植がなくなり、版下屋さんがなくなり、製版屋さんもなくなり、それら多くの職人さんの仕事を奪っただけで、デザイナーがそれらを肩代わりしてやるようになったのです。デザイナーのやることが増えたのです。

そして、今までプロの職人さんがこなしていたことを、その分野ではド素人のデザイナーがやるようになたのです。これがいかに大変なことか分かるでしょうか?

デザイナーが皆、それぞれの職人さん並みの知識と技術を持っていれば問題ないのですが、そうはなかなかいきません。なので、「できるデザイナー」ほど余計に仕事が増えてしまう現象が起こったのでした。


。。。


その頃から20年近くになりますが、今ではデザイナーがMacですべてやってしまい、印刷会社はただデータを出力するだけの「出力屋さん」みたいなパターンが多くなっています。ちゃんと知識と技術をもって「印刷」をしてくれる会社もまだまだありますが。

なんとなく手でモノを作ってる感じが希薄で、少し寂しさを感じる時があります。年なのかなw



おっと、今日は「本を見るなっ!」がタイトルでしたw





誰がどう考えるか、何が欲しいのか

僕が若い頃はものを調べる時は、図書館というのが定番でした。もしくはその道の方に話を聞きに行くのでした。本を借りて読み込み、また買って帰るんですが、この時に「自分の得たい情報」「知りたい情報」がその手にした本にあるかどうかは分かりません。なので図書館であれば、期待した情報がなければ次から次へと本を取り替えていくことができて、精神衛生上も良かったのです。

そうこうしている内に、「何を調べたいか」や「どの情報を手に入れたいか」を満たすためには「どんな本を読めば良いか」や「どこに行けば良いか」や「誰に会えば良いか」をまず考えるようになっていきます。もう寝る間もない徹夜続きの薄給デザイナーです。最短時間と最短距離の移動で望みのネタを仕入れたいのです。

これは今も通じることと思いますが、「ググる」時も闇雲に言葉を入力しても何も得られません。ほしい情報をヒットするためには少しだけ考えて、頭を使う方が結果早いのです。


と、このことが分かれば、所謂「SEO」ではどうすれば検索順位を上げられるか考えるよりも、多くの人がどんな言葉で検索するかを知ることが大切だとわかると思います。コンテンツやマーケティングなどの横文字の、分かったような分からないようなことをルー大柴さんのように軽やかに話すよりも、「誰がどう考えるか?」を見極めることがデザイナーには必要かと思います。


さて、考え方では「本」は大切なヒントをくれるのですが、当時のデザイナー(僕だけ?)は「本を見るな」と言われることが多くありました。それは、ADCや年鑑などを見ることで、他人の作品や作風、アイデアをパクるなということだったと思います。

僕はパクるのはいいことだと思っています。
完全なそのまんまのパクリはダメですよ(笑)

その作品やデザイナーをリスペクトして真似るのです。そして、学ぶのです。なぜこういうデザインになっているのかを考えるのです。クライアントはどういう発注をしたんだろうかとか、キャッチコピーにはどういう真意があるんだろうかとか、僕ならこういう色にしたのにとか、色々想像して妄想します。

(以前もこんな記事を書いてましたね) 

デザインのコツはパクること - デザインの余白

 



だから、僕は今でも本や雑誌などは、財布の許す限り買いまくります。そして、見まくりますw

それだけで毎日刺激が沢山あり、デザインのヒントが溢れています。行き詰まった時などは、特にあてもなく本棚の前をウロウロして見るともなく、読むともなく本を眺めていたりします。。



ということで、本はどんどん見ろっ!