デザインの余白

グラフィックデザイナーのひとりごと。デザインのこと、京都のこと、そして気になること。

デザインの神が降りてくる(アイデアが湧き出る)仕組み

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イデアが出なくて困ることってないですか?



僕はよ〜っくありますw


そんな時は、その考えていることは一旦置いておいて、全く違うことをします。それも割りと本気で。

散歩したり、本を読んだり、ゲームをしたり、重症の時は旅行に行っちゃったりします。何をしてても、どこにいても、やっぱり頭の隅っこにはそのこと(仕事・デザイン)があります。自分では意識しなくても常に頭蓋骨の裏側に張り付いてるような感じ。


で、煮詰まった状態を極力忘れるつもりで、その時気になることや好きなことをします。できれば新しいことの方が僕の場合は良いことが多いです。他の人からは、遊んでるようにしか見えません。現実逃避してるようにしか見えません。

でも、これが大事なんですね。


イデアが枯渇するということは、自分の知っていること=知識や経験などをフル稼働させても新しい何かが思い浮かばない状態。これは「アイデアが出ない」状態ではなくて、「アイデア=知識や経験を出し尽くした」状態だと思うのです。だからアイデアに詰まった時は、新しい刺激を与えれば良いんです。知識や経験を増やせば良いのです。これは煮詰まった時だけでなくて、常に色んな事に興味を持ち続けて、何かにつけて感動できているか?ということに繋がるんですが。。


「アイデアは、知ることから生まれる」
「創造は、想像から」



だと思うのです。そして、今欲しいアイデアとはまったく異なる、一見何の関係もなさそうなことが、実はアイデアを生み出すカギになるように思います。


例えば、コップ。

今、コップのデザインをしているとして、その人はガラスのコップしか見たことがなかったとします。なので、コップのデザインは当然ながらガラスの素材で考えますよね。ところが、プラスティックや木のおもちゃ、たぬきの焼き物や他の様々な家庭用品などを見て、違う素材の存在を知った時、そしてコップとそれらを連携して使うシーンが見えた時、そのデザインの方向性やアイデアの可能性は何倍にも広がります。また、それぞれの素材の特性を知れば、さらにその可能性は広がります。カタチや色だけではなく、コップの機能にも変化が生まれるかも知れません。まったく新しい提案が出来るはずです。

色んな事を知っていること、知ろうとしていること、常に新しい刺激を感じられる感性、そして知り得たことを繋ぐことが出来る柔軟な発想力と豊かな想像力がデザインには必要なんだと思います。一見関係ないような事柄が、点と点を結ぶように繋がりだすと、連鎖反応でスパークする瞬間が来ます。この時こそ「デザインの神が降りてきた」状態だと思います。