デザインの余白

グラフィックデザイナーのひとりごと。デザインのこと、京都のこと、そして気になること。

カワイイウソ

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昔、体温計の写真をメールで送ってきて、休みたいと言ったスタッフが居ました。


38度6分とデジタル表示された体温計の写メです。
そんなものに何の信ぴょう性もないんだけど、ちょっと可愛かったので許すことに。
本当に熱があるとも考えられたんだけど、その日前後の様子から多分ウソだろうと。。


そして、しばらく経った頃にまた体温計の写メとお休みしますのメール。
どう見ても前と同じ写メ。明らかな使い回し。。



サボタージュ確定w
前のが本当だったとしても、もう信用度はほぼゼロ。
限りなく黒に近いグレーと言った感じ。


それでも、どこか可愛げがあるので最後の所では許せます。

 

 

 

 

前置きが長くなったんだけど、デザインのお話。
と言うよりも広告のお話を少し。


広告を考える・企画する時というのは、何かを売りたいという依頼があってすることなんだけども、まずはその商品やサービスの良いところ(セールスポイント)をピックアップしていく。

そして、所謂「第一訴求ポイント」(消費者にヒットするとおもわれるポイントやその商品やサービスの最も優れた点)を見極めてアピールするのが正攻法とされています。

次にそのポイントをどう伝えるかという方法論になって、具体的表現のテクニカルな段階になると、これは色々なやり方があるんだけども、その売りたい機能を「デフォルメ」したりすることになる。「置き換え」なんかのやり方もあるんだけど、手法的な話はまた別の時に。。


で、これを毎日続けていると少し感覚が麻痺してくる。



まぁ、デフォルメする時点で商品力が若干弱いということなんだけど、これが常態化するとどうなるかというと...


「少し大げさに言いましょう」から飛躍して「ウソじゃないけど、本当でもないけど、ここまでは言えなくはない」みたいな、訳のわからないことになってしまいます。
もうその時点で、その商品というか企画は限りなくダメに近いんだけど。。


新商品などで画期的な他製品にない特徴がある時は、その特徴や機能を正確に伝えるだけでインパクトがあるから、デザイナーとしては楽なのです。

競合製品が多いと差別化ポイントを探さないといけなくなるので、こういう事が起こったりします。

デザイナーも引き出しをひっくり返している状態ですねw




と、

ウソじゃないけど本当でもないっていう事や、バレなければ罪じゃないというような洒落にもならない真実よりも可愛いウソの方が数十倍も心地良いんだなぁと思う、エイプリルフールなのです。

 


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